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2005/08/08

平面裁断と立体裁断

いつの頃からかは忘れたけども、でもずっと気に掛かっていたこと、それは。。。。

ネットサーフィンをしていて時折り目に付くのが「さすが立体裁断のパターン」もしくはこれに類する言葉。大概は、シルエットがとても洗練されているとか、着易いのに細く見えるとかまぁ、誉め言葉として使われることが多い。また、市販のパターンを買おうとしている人々の多くは、そのパターンが立体裁断で作成されたかどうか、を判断基準にしているようなふしも見受けられる。でも何でそんなに立体裁断を礼賛するのだろう?(‥?)

今から見たらとても目もあてられないような自分の服作り(苦笑)から始まって、いっときはパタンナーとして口をまつった経験をもつ身としてあえて言わせて貰うと、カッコいいとか着易いとかのいわゆる「良いパターン」は、服に組み立てた時素晴らしい服に仕上がるパターンであればよいのであって、立体で起こしてるか平面で起こしてるのかは、あまり関係がないし別にどちらでもいいと思う。そして良いパターンは、パターンメイカーのパターン力(ぱたーんりょく)というか力量に左右されるものである、とも思う。
それは原型作図を文化式でいくかドレメ式でいくか迷う人が多いが、慣れてしまえばさして変わらんとか、縫製のとても上手な人が使っているのと同じミシンを使っても、同じ仕上がりになるとは限らない、というのにも通じる感もある。
新人パターンメイカーのヘタクソな立体パターンは、実力あるベテランパターンメイカーが平面で展開したパターンより確実に劣ると思う。
良いパターンを引ける人はおおむね、立体裁断で起こしてるから錯覚してしまいがちなのだろうか。加えて、自分が平面(原型作図)で作図したパターンはイマイチだったから、やっぱり平面はだめ、立体でないと!という結論に結びついてしまったのだろうか。

私だって立体組めるしそれでパターンも起こせまっせ、学校でも習ったし、在職中ずっとやってたのだから(苦笑)けれど、私が起こしたパターンの服見てあの服のパターン欲しいわ、って人居ないでしょ(^^;)
今お引き受けしている仕事は、まずざっと引いたものを仮縫いして着てみてもらって微調整して、初めて完成させることができているというていたらくである。逆にいえば必ず着用しての仮縫いをしないと、完成させることが出来ない程度の力量といえるわけである。

自分だけでパターン引いてるとなかなか気づけないが、同じボディを使って同じデザインのトワルを組んだ時、力量の違いははっきり出る、それはもう哀しいまでに。
自分よりずっと経験のあるパターンメイカーやチーフなんかと比べたら劣るのは当然にしても、同じ学校を出て同期入社した子と比べて、あぁ自分はまだまだだと悟ったとき、私は一生パターンメイカーでいくことを諦めたように思う。
とはいうものの、わたしはチャンスがあればもう一度パターンメイキングの勉強(代表的なところではアミコファッションズなど)ができたらな、などと夢想していたりも、する。パターンメイカーとして再スタートは望めなくても、自分を磨くためにね。パターン力というか感覚ってパターンを引き続けないとどんどん落ちていくような気がする。。。

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コメント

私も同じく気になっていました。
立体裁断の型紙を賛美する言葉をよく目にしていて、そんなに素晴らしいのかなって思いました。
私は立体裁断のパターンを購入してみた事が無いので何ともいえませんが、そのパターン屋の説明を読んで過大解釈をしてしまい・・・

平面パターン(って言うの?)で作った服は、ダーツも何も無い折り紙を縫ったような服で、ぺラペラなので畳みやすい。しかし、畳みやすくとも体のラインには合わないので着用には無理がある。
立体裁断のパターンは人物にあわせて作ってあり、着やすく動きやすい。だが畳むときは平面パターンのようにスッキリ畳めない。

・・・ってなすごく大げさな解釈をしてしまいました。
実際のところ、どうなのでしょう?
ミセスのスタイルブックなどを見ても、ダーツとか入った服ありますし、袖が2枚になったパターンもありました。

私のような洋裁初心者は『立体裁断』と聞くと、体に合った立体的な服と思ってしまいます。逆に、立体裁断とかかれていないパターン屋さんの服は、子供の漫画のオマケにあるような、紙に印刷された着せ替え人形の服のように平面な服と思ってしまいます。
素人ほど、立体裁断と言う『言葉』に魅了されてしまうのではないでしょうか?
私がそうなのです・・・。(魅了されていませんが、平面はぺらぺらと勘違い)

投稿: 葉月 | 2005/08/09 01:20

「立体裁断」「平面製図」の定義付けからが問題の始まりですな。
立体裁断なら何でもすばらしいというのは幻想でしかないでしょ。

この件に関しても、人様んちのブログのコメントに書ききれるようなもんじゃないので、近いうちに私の考えをまとめて(まとまるのか?)日記にアップします。

投稿: たなかともこ | 2005/08/09 09:07

☆葉月さん
服作りのためにパターンについて、いろいろ調べて勉強したり研究してますと、おぼろげですが自然に行きつく結論みたいなものがあります。パターンを仕事にして毎日接してますとなおのこと、です(^^;)
ちなみに葉月さんのイメージというのは平面「的」、立体「的」といった方がぴったりくるかと思います。平面という言葉は2次元を連想させるのでぺら~というイメージになるでしょうし、立体という言葉は3次元を連想させるので、表現がヘンですけど、ぼこぼこと凹凸の激しいイメージを喚起するのではないでしょうか。
巨匠たなかさんも仰っておられますが、まずは立体裁断と平面裁断の定義付けからせねばなりませんけど、判り易い比較例としては、立体の洋服に対して平面は和服(着物)でしょう。和服は、葉月さんも書かれましたように、かなり平らに近い状態に畳めます。襟だけは多分に立体に近いつき方してますけど、身頃や袖にはダーツの一つもありませんから、それこそもう「平ら」といっていいでしょう。でもあれはあれで、ゆとりや運動量のことなどうまく考えられているのですけどね(^^;)
ところで立体裁断~ドレーピング~とは、「ボディに布を止めつけてダーツをつまんだり切り込み入れたりしながら形作ってゆく」手法と聞くと、ぺらっとした一枚の布がみるみるうちにドレスに変わってゆく・・・なんて想像をなさるかもしれませんが、洋裁学校ではまず原型から展開する作図を習い、その後にドレーピングを習うことが多いので、新しいデザインを起こすときはまず平面で(さすがに原型はもう使いませんが^^;)ざーっと引いたものをトワル(シーチング)で組み立てたのち、全体のバランスを見ながらつまんだりカットしたり時には足したりして、微調整を行って完成させてゆく、という手順を踏むのはわたしだけではありますまい(爆)
こういう手順で起こされたパターンは果たしてなんと呼ばれるのでしょうか?(^^;)
ぺらっとした布の状態から、ドレーピングしたわけじゃないから平面裁断?でもボディとはいえ、組み立てながら確認してるのだから全く紙の上だけで起こしたパターンじゃない。。。となると立体裁断?????
なんて疑問も生じてきましてね、自分で振っておきながら無責任ですけど、考え出すときりがなかったりするんですよね(^◇^;)
☆たなかさん
やっぱりね、ひととおりは全部自分で作れるようになると、おやぁ?と気づくこととか一杯ありますね。。。(^^;)
巨匠の見方、着眼点など大変楽しみにしております~(^◇^)ノ 

投稿: ユリウス | 2005/08/11 23:07

ユリウスさん、とてもわかり安い解説をありがとうございます。そう、平面的、立体的というイメージです。でもそのイメージが本当なのかどうか、私にはさっぱりわからず・・・でして、各種ミセス洋裁本にももちろんダーツがあったりするので、平面パターン(原型)なのに立体的な形になるよなぁ~~って思ったりして、もう頭の中ワケワカメ状態です。
原型から作って・・・ドレーピングして・・それは何裁断になるのでしょうね?立体になるような気もします。結果が立体ですし。
パターン屋さんもすごく増えましたね。
でもどれが良くてどれが悪いのか、ネット上ではHPのイメージ的なものに惑わされるので全然わかりません。
こんな私は無難に、Rick-RackさんONLYでいくのでした(^^ゞ
でもそのうち他の型紙屋さんも覗くかな~~。

一度で覚え切れないので何度も読ませていただきました。ユリウスさん、詳しく、ほんとありがとうございます。

投稿: 葉月 | 2005/08/13 01:52

拙い説明ですみません、うまく伝わっていると良いのですが(^^ゞ

投稿: ユリウス | 2005/08/14 00:27

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