ロウ引きの糸
むかし、文化に入学した時のお道具セットの中に2、3センチ角のロウのかたまりがあった。
何に使うものか漠然と知ってはいたものの、なんとなく使わずにそのままになっていた。いや、若者の浅はかさでそんなもの使わなくてもと、思っていたのかもしれない。
なんとなくほんとうになんとなくそのロウは出番がないままずっと裁縫箱の隅っこに転がされていた。
だが去年、オットのハーフコートを縫ってボタンホールを手かがりで仕上げようとしたとき、突然穴糸をロウ引きしてみようと思い立った.。
手縫い用の糸というのは穴糸にしろまつり糸にしろ、たいがいカード巻になっているので5,6センチ間隔で巻グセがついているものである。そのせいか、縫っている途中で勝手に玉結びができてしまったり、ヘンに引っかかってしまったりと、あまり快適でないことが多かった。
手縫い用糸はミシン糸とは反対向きに撚りがかけられていて、右利きの人が右から左へ縫い進むのに具合がよいようにできてるはずなのに、この不快感!
そこで突然、ロウ引きをしてみよう!と思ったのだ(^^;)
裁縫箱の隅で眠っていた、表面はうっすら変色してるように見えなくも無いそれを取り出し、糸を滑らせてロウをつける。と、ロウが表面にまぶされて白っぽくなるので次はアイロン、ロウは熱で糸に染みわたり巻グセはアイロンでまっすぐになり糸によってはピン!と立つ(^^;)
思い出した、若い頃ロウ引きを避けてた理由を。
蝋引きの仕方もろくに知らぬまま、見よう見真似でロウをまぶしたはいいが白く粉を吹いたようになってしまった糸をその後どうしたらよいか判らなかったのだ、きっと(爆)(^◇^;)
そしてロウ引きした糸の縫いやすいことといったら!
どうして今までやらなかったのだろうと、自分の若さを悔いた。
穴糸は言うに及ばず、まつり糸もロウ引きした糸だとホントに縫いやすい。
もう、ロウ引きしてない糸では縫えない。。。なーんてのはオオゲサだけど(笑)でも快適なのは間違いない。
食わずキライはいかんですな(^◇^;)
| 固定リンク
「ソーイング・縫製のこといろいろ」カテゴリの記事
- 15mm幅のバイヤステープメーカーを買いました(2024.04.14)
- 薄地用のミシン糸・スパン糸とフィラメント糸(2024.01.13)
- 秒針のある時計(2023.12.28)
- ジャージィ生地(2020.07.19)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント